文部科学省 科学研究費補助金(新学術領域研究(研究領域提案型))
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
- 研究期間: 2017年度-2021年度
- 研究課題名: 「ソフトフォトニッククリスタルの創製」 Soft Crystals: Science and Photofunctions of Flexible Response System with High Order
- 研究代表者: グン 剣萍 GONG Jian Ping (Principal Investigator)
- 研究分担者: 黒川 孝幸 KUROKAWA Takayuki (Co-investigator)、野々山 貴行 NONOYAMA Takayuki (Co-investigator)
- キーワード: 高分子構造・物性 / ソフトクリスタル / 構造色 / 生体模倣 / 刺激応答
概要:
高分子ハイドロゲルは、三次元網目構造に多量の水を保持し、物質透過性、刺激応答性、生体親和性、低摩擦性等ユニークな機能を有する優れた物質であり、生体材料や機能材料として高く期待されている。しかしながら、従来のゲルは秩序構造を持たず、その機能が限られている。本研究では、ソフトクリスタルの概念を含水ゲルに応用し、ゲルに周期構造や秩序構造を導入することで、その高機能化を図る。具体的には、せん断応力場を用いる分子配向法、生物の周期構造を写し取るバイオテンプレート法等の種々の手法を用いて数十から百ナノメートルスケールの超構造をハイドロゲル等のソフトマテリアルに導入し、高靭性と刺激応答性を付与する。指圧程度の低力学刺激及び僅かな環境刺激(温度、pH、溶媒との親和性等)に応答して構造色が多彩に変化するソフト&アクティブな高靱性フォトニックマテリアルの創製、次世代可視化センサー、新機構ディスプレイ及び一次元異方拡散によるzero-order長時間徐放DDSキャリア等への応用を目的とする。
文部科学省 科学研究費補助金(新学術領域研究(研究領域提案型))
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
- 研究期間: 2015年度-2019年度
- 研究課題名: 「インビトロ系における細胞シートからの3D形態形成」 Discovery of the logic that establishes the 3D structure of organisms
- 研究代表者: 芳賀 永 HAGA Hisashi (Principal Investigator)
- 研究分担者: 石原 誠一郎 ISHIHARA Seiichiro (Co-Investigator)
概要:
上皮組織は消化器、呼吸器など様々な器官の構築に欠かせない組織であり、実際、ほとんどの臓器・器官の3次元構造は、上皮の折り畳みとして作られる。胚発生時における遺伝子の発現パターンなどの解析は進んでいるものの、多数の細胞が集団で運動し、3次元構造を形成するメカニズムについてはほとんど未解明である。本研究はゲル基質を用いて上皮細胞シートを培養シャーレ内で作り出し、境界条件、基質粘弾性、細胞内張力、浸透圧など物理的パラメータを制御することで3次元形態を構築させ、その力学的ロジックを数理モデルによって解析することを目指す。
本研究では、ゲニピンで架橋したマトリゲル上にイヌ腎尿細管上皮細胞(MDCK細胞)の細胞シートを培養し、基底部側を高浸透圧にすることで、上皮細胞シートが自発的に変形しドーム状の3次元構造が形成されることを見出した。さらに、球殻状のゲルカプセル培養系を新たに構築し、胚発生初期の形態形成を培養シャーレ内で模倣することに成功した。これらに加え、扁平上皮がん細胞(A431細胞)をマトリゲルとコラーゲンゲルを混合したゲル基質中に包埋培養すると、細胞集団が基質中で回転運動しながら回転の長軸方向に伸長することを見出した。この結果は、ゼブラフィッシュの体節形成の際に観察される回転伸長運動と類似しており、秋山グループ(計画班)と共同で数理モデルの構築を進めている。
日本医療研究開発機構(Japan Agency for Medical Research and Development)
2019年度革新的先端研究開発支援事業(AMED-CREST)
- 研究期間: 2016年度-2019年度
- 研究課題名: 「がん-間質におけるメカノバイオロジー機構の解明」
- 研究代表者: 芳賀 永 HAGA Hisashi
- 研究参加者: 石原 誠一郎 ISHIHARA Seiichiro
概要:
がん細胞は細胞外基質の硬さに応答して悪性化することが知られている。本プロジェクトの目的は、基質の硬さが要因となってがん細胞が悪性化する分子機構を明らかにすることである。本研究は、基質の硬さとがん細胞の悪性化をつなげる因子の同定にとどまらず、「なぜがん細胞周辺の基質は硬くなるのか」という疑問に対して、腫瘍病理学の観点から提案された「がん関連線維芽細胞(Cancer Associated-Fibroblast; CAF)によるメカノセンス仮説」を導入する。さらに、がん細胞とCAFが基質の硬さをセンスするダイナミックレンジの違いを説明するために、「接着斑構成脂質膜チューニングモデル」を検証する。
本プロジェクトでは分子機構の同定にとどまらず、細胞外基質の硬化によって悪性化するがん細胞の早期診断とカスタム治療を目的として、ゲル培養基質を用いたゲノムワイドRNAiスクリーニング診断システムを開発する。さらに、血液中に放出された硬さ応答因子を定量することによりがんの早期診断法を開発し、さらには基質の硬化を抑える新規治療法の開発を目指す。
科学技術振興機構(JST)研究成果展開事業(企業化開発・ベンチャー支援・出資)
産学共同実用化開発事業(NexTEP)
- 開発実施期間: 2014年度-2024年度(平成26年度-令和6年度)
- 研究課題名: 「(J13-13)硬化性ゲルを用いた関節軟骨損傷の治療」
- 総括責任者: 岩崎 倫政 IWASAKI Norimasa
- 協働機関: 持田製薬株式会社 代表取締役社長 持田 直幸
概要:
関節軟骨損傷に対する唯一の根治的治療法は、人工関節置換術である。しかし、感染の発症や耐久性に限界があり再置換術が必要になるなど解決しがたい問題が存在し、治療後に重篤な機能障害をきたす例も少なくない。近年の再生医療技術の進歩により、軟骨損傷に対し自家軟骨細胞を用いた軟骨再生治療が行われるようになったが、手技上の侵襲性や医療費が高いこと、さらに適応症例が限られていることが原因で一般的な普及は困難な状況である。この課題に対し、高純度硬化性ゲルを用いることで従来法より低侵襲・低医療費で施設や医師を選ぶことなく広く普及することが可能な技術を開発することを目的とした。本プロジェクトの採択を受けてから、軟骨修復治療材の開発を進め、2019年秋から全国の医療機関での治験を開始している。
日本医療研究開発機構 Japan Agency for Medical Research and Development
平成31年度 革新的医療技術創出拠点プロジェクト
橋渡し研究戦略的推進プログラム シーズC
- 研究期間: 2018年度-2020年度(平成30年度-令和2年度)
- 研究領域: 革新的医療技術創出拠点プロジェクト シーズC
- 研究課題名: 「椎間板再生治療における組織修復材の開発」
- 研究代表者: 須藤 英毅 SUDO Hideki
概要:
2018年9月に治験計画届を提出し、20~49歳の腰椎椎間板ヘルニア患者のうち、1椎間(1か所の椎間板) のみにヘルニアがあり、痛みが強く手術が必要と診断された患者を対象として、腰椎椎間板ヘルニア摘出術後にアルギン酸ゲルを埋植する医師主導治験を開始した。2019年度末までに当初計画通りの30症例を登録し、順調に進捗している。
日本医療研究開発機構 Japan Agency for Medical Research and Development
平成31年度 革新的先端研究開発支援事業(AMED-PRIME)
研究期間: 2018年度-2021年度(平成30年度-令和3年度)
研究領域: 生体組織の適応・修復機構の時空間的解析による生命現象の理解と医療技術シーズの創出
研究課題名: 「末梢神経の軸索再生を支える細胞機構と接着因子の解明」
研究代表者: 角家 健 KADOYA Ken
概要:
各種外傷により、末梢神経を損傷した場合、障害された神経機能を回復させるためには、損傷軸索をいち早く再生させ、標的器官(筋肉・皮膚)に再結合させる必要があるが、近年の神経科学の発展にもかかわらず、軸索再生を促進させる方法はいまだ開発されていない。申請者は、最近の研究から、損傷した軸索、シュワン細胞、マクロファージが、細胞接着因子と液性因子の両方を通じて、軸索再生を制御していることを見出したが、その詳細な時空間的、分子生物学メカニズムの詳細はいまだ不明である。本研究の目的は損傷した末梢神経軸索、シュワン細胞、マクロファージの3者の相互作用を、時空間的かつ分子生物学的に明らかにし、新規軸索再生方法の基礎を築くことである。
日本医療研究開発機構 Japan Agency for Medical Research and Development
平成31年度 糖鎖利用による革新的創薬技術開発事業
- 研究期間: 2016年度-2020年度(平成28年度-令和2年度)
- 研究課題名: 「我が国の技術の強みと密接な医工連携を活かした標的分子探索・検証のための多角糖鎖解析システムの構築」
- 研究分担者: 古川 潤一 FURUKAWA Jun-ichi
概要:
新規創薬標的となりうる糖タンパク質候補の糖鎖変化・糖鎖結合部位を捉えるための技術開発として、本研究ではピラゾロン共存下β脱離反応(BEP法)による組織や細胞におけるO-グライコームおよび糖鎖結合部位を解析する汎用的な技術を開発することを目的としている。これまでにBEP法を用いたO-グライコーム・糖鎖結合部位の解析では、セリン/スレオニン残基の違いが脱糖鎖ペプチドへのマイケル付加反応へ影響を及ぼすこと明らかとなり、本技術を基盤としたO-結合型糖鎖付加部位の解析法の構築を目指している。
日本医療研究開発機構 Japan Agency for Medical Research and Development
平成31年度 革新的先端技術開発支援事業(AMED-CREST、PRIME)
- 研究期間: 2016年度-2021年度(平成28年度-令和3年度)
- 研究領域: メカノバイオロジー機構の解明による革新的医療機器及び医療技術の創出
- 研究課題名: 「機械受容応答を支える膜・糖鎖環境の解明と筋疾患治療への展開」
Elucidation of membrane and sugar chain environment required for mechano-sensing/ response and its application to the development of therapeutic strategy for muscle diseases - 研究分担者: 古川 潤一 FURUKAWA Jun-ichi
概要:
筋の機械受容応答に不可欠な糖鎖分子、および糖鎖とメカノセンサーの直接・間接的な相互作用も含め、糖鎖が統合する膜環境の構成要素や、メカニカルストレスに対して脆弱な筋ジストロフィーや筋萎縮、あるいは機械的適応を示す筋痛のモデルマウスを用いて、糖鎖変化を要因とする機械受容応答の破綻から、病態発症に至る共通メカニズムを明らかにすることで、絶えず動き続ける筋がメカニカルストレスを利用しながら恒常性を維持する仕組みを解明し、新しい筋疾患治療の道筋を提案することを目的として、グライコブロッティング法およびBEP法を用いた筋疾患細胞の膜表面糖鎖の網羅的解析を行い、糖鎖の機能解明を目指している。
日本医療研究開発機構 Japan Agency for Medical Research and Development
平成31年度 肝炎等克服実用化研究事業
- 研究期間: 2017年度-2019年度(平成29年度-令和1年度)
- 研究課題名: 「慢性肝疾患の組織病態進展機構の解析および血清組織糖鎖の網羅的探索による予後予測マーカーの構築(分担)」
- 研究分担者:古川 潤一 FURUKAWA Jun-ichi
概要:
慢性肝疾患の組織病態進展の機構を解明するため、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)やC型肝炎の薬剤処置後の血清や肝組織の複合糖質糖鎖の網羅的解析を行い、肝繊維化進展やNASH早期診断の新規糖鎖マーカーの探索を行うことを目的としている。また、肝生検の際の残余組織を用いた組織グライコミクスを実施し、肝疾患における発現変動を示す糖タンパク質の機能解明を目指す。
日本医療研究開発機構 Japan Agency for Medical Research and Development
平成31年度 革新的医療技術創出拠点プロジェクト
橋渡し研究戦略的推進プログラム シーズA
- 研究課題名:「O-17標識水を水トレーサーとして用いたMRIによる関節軟骨の新たな質的評価法の確立」
]研究代表者: 小野寺 智洋 ONODERA Tomohiro
概要:
関節軟骨は構成成分の70%が水分からなり、細胞間に約10%存在するプロテオグリカンによって保持されている。外傷を契機に進行する変形性関節症は、軟骨組織の静水圧維持機構が受傷早期に破綻し、軟骨細胞のアポトーシスが誘導されることが原因と考えられおり、軟骨の保水機能に着目した診断方法が重要である。
申請者は、O-17標識水を関節造影用薬剤として用いることにより、腎機能障害やアナフィラキシーショックなどの副作用の無い安全な関節軟骨評価法の開発を目指している。現在、ウサギの正常関節軟骨に関するO-17標識水の投与方法を確立し、関節造影効果を検討した。今後は関節症性変化を有する軟骨に対する関節造影効果を検討することで、本関節造影法の臨床応用を目指す。
日本医療研究開発機構 Japan Agency for Medical Research and Development
創薬等ライフサイエンス研究支援基盤事業 高エネルギー加速器研究機構(受託)創薬等ライフサイエンス研究支援基盤事業BINDS(AMED)
- 研究期間: 2017年度-2021年度
- 研究課題名: 「創薬等ライフサイエンス研究のための相関構造解析プラットフォームによる支援と高度化」(低エネルギーX線利用を中心としたタンパク質立体構造解析の支援と高度化)
- 分担研究開発の研究代表者: 姚 閔
概要:
多様化する創薬ターゲット分子やライフサイエンス研究において重要となる複雑な複合体の構造を迅速かつ高精度に決定することが不可欠である。本研究開発事業においては、代表機関の高エネ機構(KEK)と連携しながら、高精度データの収集に関する基礎的な検討を行う。特に、Native-SAD構造解析を中心とする回折データの精度検定、および初心者が容易に利用可能な回折データ測定技術の高度化と支援を実施する。具体的に、私達が開発していたS/N比を高めるための溶液レス結晶マウント法の実用化とロボットの改良を行う。さらに、高精度回折データを測定するためのreal-time「自動データ処理・評価・測定法の助言」AIシステムを開発する。
日本医療研究開発機構 Japan Agency for Medical Research and Development
創薬等ライフサイエンス研究支援基盤事業 高エネルギー加速器研究機構(受託)創薬等ライフサイエンス研究支援基盤事業BINDS(AMED)
- 研究期間: 2019年度-2021年度
- 研究課題名: 「全自動大規模結晶化スクリーニングシステムを用いたX線結晶構造解析の支援と高度化」(タンパク質結晶化促進剤の開発)
- 分担研究開発の研究代表者:姚 閔
概要:
構造生命科学研究において、X線結晶構造解析は今なお最も重要な手法であるが、タンパク質結晶化が未だにボトルネックとなっている。我々は、新しい発想に基づいた結晶化促進試薬の開発を行い、複数のテストサンプルでその有効性を示した。本研究開発事業においては、代表機関の高エネ機構(KEK)と連携で、KEK大規模結晶化システムへ開発した結晶化促進試薬を適用し、より多くの種類のタンパク質に対する有効性を検証し、促進試薬使用の改良や、新たなタンパク質結晶化の促進試薬の開発を行う。最終的に、促進試薬利用による結晶化成功率の向上を目指す。
科学技術振興機構 Japan Science and Technology Agency
戦略的創造研究推進事業(さきがけ)
- 研究期間: 2018年度-2021年度(平成30年度-令和3年度)
- 研究領域: 「量子技術を適用した生命科学基盤の創出」
- 研究課題名: 「生体分子中におけるアミンの量子特性を解明する」
- 研究代表者: 尾瀬 農之 OSE Toyoyuki
概要:
生命現象を理解する上で、構成要素を原子レベルで解明する視点は欠かせない。結晶構造解析、電子顕微鏡、NMR法などの量子技術を用いて生体高分子構造を明らかにすることのできる構造生物学が果たしてきた役割は大きい。X線結晶構造解析では、結晶化に成功すれば分子量にかかわらずに構造解析が可能とされている。膜蛋白質や超分子複合体と言われる高難易度の対象に対しても、技術革新により解析例は飛躍的に増えてきている。また、高分解能クライオ電子顕微鏡においては、対象にできる分子は拡がり、かつ到達分解能は上がっている。しかし、膨大な数の化学反応の集合である生命現象のコンポーネントを解析する上で、水素原子或いはプロトンの挙動に関しては、依然、理解が進んでいない。これは、X線では原子が持つ電子に、電子線は原子の静電ポテンシャルによる散乱現象に立脚するため、分解能の制限からプロトンや水素原子を観測できる例は極めて稀だからである。水素原子の挙動を論じることのできる方法論は、実質的に中性子線を使用した結晶構造解析に限られる。中性子線の回折は、空間的に点と見なせる原子核によりもたらされる。水素原子、重水素原子核の原子散乱長は、生体分子を構成する他の主要原子核(炭素、窒素、酸素)と比較しても遜色なく、結晶回折実験から計算された2.0Å程度(中程度)の核密度マップより容易に確認できる。ここではアミンが調節する生体内の反応に注目し、アミン窒素のプロトン化を含め重要な分子メカニズムを中性子線結晶解析を用いて解明する。
科学技術振興機構 Japan Science and Technology Agency
戦略的創造研究推進事業(さきがけ)
- 研究期間: 2016年度~2019年度(平成28年度~令和元年度)
- 研究領域: 「社会的課題の解決に向けた数学と諸分野の協働」
- 研究課題名: 「構成要素の多様性が変化する系の数学理論構築と細菌群集の関わる疾患制御への応用」
- 研究分担者: 中岡 慎治 NAKAOKA Shinji
概要:
構成要素の多様性が変化する系は、生命現象で多くみられる。皮膚・腸の常在細菌叢(叢=集まりを表す)で多様性が減少すると、免疫系による異常な炎症状態が持続するアトピー性皮膚炎や、腸炎を発症することがある。細菌叢の多様性減少をdysbiosisと呼ぶ。腸炎など腸内細菌の多様性変化と関連する疾患が数多くしられているが、細菌の多様性減少と発症の関連性解明は、これからの課題である。本研究では、構成要素の多様性が変化する系に対する、汎用的かつ新しい数理研究を展開する。具体的には、多様性変化のダイナミクスを記述した方程式を構築して計算機シミュレーションを実施することで、疾患を誘発するメカニズムの解明を目指す。
科学技術振興機構 Japan Science and Technology Agency
「未来社会創造事業」探索加速型(探索研究)
- 研究期間: 2019年度-2021年度(平成30年度-令和3年度)
- 研究領域: 「探索加速型『超スマート社会の実現』領域」
- 研究課題名: 「AI計算リソースとしての実交通ダイナミクスの活用技術の開発」
- 研究分担者: 中岡 慎治 NAKAOKA Shinji
概要:
深層学習をはじめとするビッグデータ/AI/IoTの関連技術の進展は、近年の計算機性能の向上によるところが大きい。一方で、5G時代におけるデータ活用社会では、その処理を計算機だけに委ねることは、計算リソースの観点から限界を迎えうる。これに対して、AI計算をサイバー空間だけにとどめず、フィジカル空間に存在する実現象を活用することにより実行する方法論は、既存のインフラのみで実現することができれば有用である。本研究では、実交通ダイナミクスをはじめとする様々な実世界の現象に対して機械学習の方法論を適用し、それらをAI計算リソースとして活用する技術を開発する。さらに、この実現象AIを利用して、交通渋滞をはじめとする様々な社会課題の解決策を模索することで、説明可能性や低計算コストなどの観点から深層学習との関係性を検討する。
文部科学省(Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology, MEXT.)
科学技術イノベーション創出基盤構築事業 科学技術共通基盤強化促進事業
先端研究基盤共用促進事業(共用プラットフォーム形成支援プログラム)
NMR共用プラットフォーム
- 分担者: 出村 誠 DEMURA Makoto
- 実施機関: 国立大学法人北海道大学、国立大学法人大阪大学、公立大学法人横浜市立大学
- 代表機関: 国立研究開発法人理化学研究所
概要:
核磁気共鳴(NMR)法は、化学、材料・素材、食品・環境、生命科学等の広範な分野で必須の計測法です。近年は創薬、薬物代謝物動態、新世代電池の解析など、ライフイノベーションやグリーンイノベーションに直接つながる分野への利用も広がり、先端的な施設・設備や技術に対する利用ニーズが高まっています。更に、高磁場化や高感度化などの技術的発展、機器開発とそれに基づく利用ニーズの拡大の余地は依然大きく、今後の更なる発展が期待される技術領域である。
先端的なNMR設備と関連技術を有し共用取組に対しても十分な経験を有するNMR施設を持つ機関である国立研究開発法人理化学研究所、公立大学法人横浜市立大学、国立大学法人大阪大学、国立大学法人北海道大学(以下、「4機関」という)は、NMR装置メーカー2社とともに、NMR技術領域の研究開発基盤である「NMR共用プラットフォーム」を形成した。
これまで我々は、最先端技術開発の動向を踏まえた研究開発と人材育成を支える取組を、他の施設との連携協力関係を築きながら全国的な取り組みへと発展させNMR技術領域の利用と発展を先導するとともに、最先端技術開発の基盤を作り、ユーザーニーズを的確に反映させた技術開発に資する存在となることを目指して活動してきた。今後は、これまでの実績を基に「高度利用支援体制」の拡充を進め、産学官に開かれた共用によるNMR技術を活用したイノベーション創出をさらに加速するとともに、「開発」と「利用」を結びつける「場」の形成、「知」の集積と共有、「人材」の育成、「国内外との連携」関係の拡大、に取り組むことにより、日本のNMR研究開発の持続的な維持・発展を先導する技術プラットフォームとなることで産官学における様々な課題解決と我が国発の科学技術イノベーションの創出に貢献する。
科学技術振興機構 Japan Science and Technology Agency
研究成果展開事業 研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)
- 研究期間: 2019年11月18日~2020年11月30日(1年)
- 研究課題名: 「光ファイバーと顕微鏡を利用した、蛍光相互相関分光装置の開発」
- 研究代表者: 金城 政孝 KINJO Masataka
- 研究参加者: 北村 朗 KITAMURA Akira
概要:
我々は細胞外小胞であるエクソソーム検出に特化した全光ファイバー型蛍光検出装置の開発を進めてきた。しかし、エクソソーム検出だけでなく、同定を行うために複数種のバイオマーカー検出を視野に入れておくことが今後の応用・利用範囲を広げるためには不可欠であり、そのためには高感度化と多色を検出することが次のステップとして必須である。
本申請は全光ファイバー型蛍光相互相関分光装置と市販の透過型顕微鏡を利用することで、感度を一気に100倍程度に上げるとともに2種類の蛍光色素を同時検出可能とする装置の開発を目指す。顕微鏡は蛍光顕微鏡である必要はなく、従って、既設の透過型顕微鏡を利用でき、幅広い応用が期待される。
科学技術振興機構 Japan Science and Technology Agency
研究成果展開事業(A-STEP)機能検証フェーズ実証研究タイプ
- 研究期間: 平成30年12月20日~平成32/2020年3月31日(1年3ヶ月)
- 研究課題名: 「高感度蛍光測定に応用可能なプログラミング相関解析装置開発」
- 研究代表者: 北村 朗 KITAMURA Akira
概要:
我々はバイオから材料製造にいたる様々な研究産業分野での利用が可能な蛍光強度変動を高速で計測するための携帯・小型・軽量並びに最短間分解能10μ秒の光ファイバー型蛍光相関装置(世界初)を進めている。しかし、当該装置に必要な既存の相関解析装置は外国製でありコスト、大きさ等の点で障壁がある。従って、本研究開発では、小型・軽量タイプの相関解析装置の開発を行い、ユーザーにとって信頼性・安定性・利便性を兼ね備える柔軟なプロトタイプシステムを開発することで、革新的システムの製品展開に向けた道筋をつける。将来の世界最先端である1n秒最小時間分解能高性能タイプの装置の基礎となる産学連携を確立する。
文部科学省 Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology, MEXT.
科学技術振興機構 Japan Science and Technology Agency
センター・オブ・イノベーションプログラム
- 研究期間: 2015年度~2021年度(平成27年度~令和3年度)
- 研究課題名: 「『食と健康の達人』拠点(ビジョン1少子高齢化先進国としての持続性確保)」
- 課題責任者: プロジェクトリーダー 株式会社日立製作所 北海道大学客員教授 吉野 正則 YOSHINO Masanori
- 研究リーダー: 玉腰 暁子 TAMAKOSHI Akiko
- 研究代表者(健康ものさし): 中村 公則 NAKAMURA Kiminori
概要:
10年後、どのように社会が変わるべきか、人が変わるべきか、その目指すべき社会像を見据えたビジョン主導型のチャレンジング・ハイリスクな研究開発を推進する。健康度が分かる新しい「健康ものさし」と「セルフヘルスケア」に基づき、個人の健康状態に合わせた最適な「美味しい食、楽しい運動」の商品、サービスを提供する。また、未病社会を目指す東洋医学の立場から、科学的根拠に基づく漢方診療の標準化と普及や、漢方薬の品質保証体制の確立と生産支援に取り組む。以上の取り組みを通じて、持続的な笑顔あふれる「健康コミュニティ」を地域で構築し、私たち一人ひとりが『食と健康の達人』になる、「女性、子どもと高齢者にやさしい社会」の実現を目指す。
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