AI予測されたタンパク質の立体構造モデル基づくゲノムからの探索法によって、テルペン環状骨格や構造の多様性を拡大できることを証明

新潟大学自然科学系(農学部)の佐藤努教授、上田大次郎助教、同学系(工学部)の阿部貴志教授、北海道大学大学院先端生命科学研究院の谷口透准教授らの共同研究グループは、AI予測されたタンパク質の立体構造モデルを基にしたゲノムからの探索法によって見つかった、新しいタイプのテルペン合成酵素が形成する生成物の構造を決定しました。その結果、新しい環状骨格や構造をもつテルペンを発見することに成功しました。本研究は2024年に本研究グループが開発したタンパク質の立体構造モデルを基にした探索法が、テルペンの環状骨格や構造の多様性を拡大するための有効な手法であることを証明した成果です。

本研究成果は、2025年6月2日、米国化学会発行誌「Organic Letters」のオンライン版に掲載されました。

【本研究成果のポイント】
  • AI 予測されたタンパク質の立体構造モデルを基にしたゲノムからの探索法で見つかった新型テルペン合成酵素の生成物の構造を決定しました。
  • 生物から未だに見出されていない新しい環状骨格や構造をもつテルペンを発見しました。
  • 新しい環状骨格や構造をもつテルペン類を大量発掘するためのブレイクスルーとなることが期待されます。
タンパク質の立体構造モデルを基にしたゲノムからの探索法による新規骨格・新規構造テルペンの発見(出典:新潟大学プレスリリース)

プレスリリース:AI予測されたタンパク質の立体構造モデルに基づくゲノムからの探索法によって、テルペンの環状骨格や構造の多様性を拡大できることを証明(先端生命科学研究院 准教授 谷口 透)