オックスフォード大学にて広がる研究者としての視野

平川 妙子
生命科学専攻・博士前期課程・2年生(当時)
2016年8月23日~2016年9月15日
イギリス・オックスフォード

私は、「Hokkaido-Oxford Internship Programme」という生命科学院の学生のための留学プログラムに参加し、6週間オックスフォード大学の研究室に所属しました。このプログラムは、オックスフォード大学の薬学部で研究活動を体験し、国際的な研究能力を高めることを目的としています。研究内容や指導教員は自ら選択することができ、現在行っている研究に関連していることだけでなく、研究視野を広げるために新しく学びたい内容も選ぶことができます。現在、私は化学をメインとした研究を行っていますが、生物への応用を学びたいと考え、受け入れていただく研究室を選びました。北大で主催する研究室の先生方、オックスフォード大学の希望の研究室の教授との面接を行い、いざオックスフォード大学へ。

オックスフォードの街並み

私は「質量分析装置(MS)による代謝産物の解析(メタボロミクス)」を専門に行っている研究室に所属しました。私のMSについての深い知識や経験が少ない中、中国出身の指導研究員の方にマンツーマンで毎日実験を教えていただき、一通り基礎や装置の使い方を覚えることができました。6週間という短い期間ではありましたが、論文にも載せられるような結果を出すことに貢献できたことは嬉しい経験となりました。さらに、世界では様々な手法や視点から研究が行われていることを実際に体感できて、これからの研究へのモチベーション向上にも繋がりました。

教授と指導研究員と、MS装置の前にて

また、日本では大学に残る女性が比較的少ない印象ですが、オックスフォード大学の研究室には女性の研究員の方が多く、むしろ女性がリーダーシップを取ることで研究室が成り立っていました。これからも研究者として生きていきたいと思っている私にとっては勇気の出る光景でした。ランチは毎日研究室のメンバーと共にし、研究や留学、将来についてアドバイスをもらいながら、最終日にはメッセージやお土産までいただきました。このメンバーに出会い、刺激を受けたことは大きな財産となっています。

研究室のメンバーと(筆者は前列右から3番目)

参加するにあたり英語力への不安も大いにありましたが、実際に行ってみると英語を母国語としない方々が当たり前のようにコミュニケーションをとっている姿を目の当たりにし、話す機会を得ることが大切であると感じました。今回のプログラムへの参加を通じて、機会を逃さずに留学や海外での経験に挑戦をして国際的な視野の獲得に繋がることを体感することができました。