桃﨑哲
生命科学専攻・博士前期課程・1年生(当時)
2018年10月28日~2018年12月26日
スウェーデン・ストックホルム
2018年10月末から12月にかけて約二か月間,スウェーデンにあるスウェーデン王立工科大学(KTH)へ短期留学に行ってきました。また,11月19日から11月30日の二週間ではカロリンスカ研究所で開催されたDC向け大学院授業functional Fluorescence Microscopy Imaging(fFMI)を受講しました。このコースの一部は北海道大学海外ラーニングサテライトの授業として開催され,座学形式の講義と実際に共焦点顕微鏡を用いた実習を通じて蛍光イメージングの原理を習得することを目的としています。12名定員という少人数で集中的に指導して頂けるため,とても充実した実習時間となりました。
コースの前半では,毎日A4一枚程度の課題が課せられ,内容に関して翌日にディスカッションを行うことで理解を深める事が出来ました。今まで,英語で議論する経験はなく,初めのうちは自分の意見を言葉にできないこともありましたが,海外の学生の積極性に感化され,図を用いたりしながら表現することで伝えることが出来るようになりました。
コースの最後には,参加者一人一人がコースの中で学んだ手法に関する30分ほどの発表を行いました。各々が自分なりに学んだことに関してまとめ発表しあうことで,より理解が深まったと思います。
また、コース以外の約6週間は、同じくストックホムル市内にあるスウェーデン王立工科大学のJerker教授の研究室での研究活動を行いました。
Jerker教授の研究室では,研究室内で独自に構築された顕微鏡が多数存在し,顕微鏡構築を行っている私にとって多くの刺激を得ることができる空間でした。私はそのうちの一つである時間分解蛍光寿命測定やTransient state(TRAST)測定を見学したり,実際に測定を手伝うことによって最先端の蛍光測定を肌で感じることが出来ました。研究室のメンバーは日,中,印,土,瑞などと国際色豊かでランチの際には,研究の話から各国の文化の話まで聞くことができ,貴重な経験となりました。これらの経験は研究留学を行ったからこその貴重な経験だと考えます。
滞在中には,カロリンスカ研究所にてノーベル賞記念講演が開催され,行列に二時間ほど並んだ末,本庶先生の講演を生で見る事が出来ました。本庶先生は講演の最後に今世紀中に癌は治すことのできる病気であるとおっしゃっていて,この言葉は研究者を奮い立たせる事であり,がん患者へのエールとも感じました。今後の人生で二度とない大変貴重な経験をすることが出来たことを感謝しています。
カロリンスカ研究所でのコースやスウェーデン王立工科大学での研究生活を通して、自身の研究に関する深い知識や技術の習得が出来ました。また海外の文化に触れることで,自分自身の成長にもつながったと考えます。
また滞在先では,Airbnbと呼ばれる宿泊予約サイトを利用して下宿を探しました。ホストマザーはとても親切な方で,ストックホルムのおすすめスポットやお得な交通機関の利用方法を教えて頂きました。また,時には一緒に紅茶を飲みながらお話をしたり,泊めて頂いているお礼に日本の手巻きずしを振舞ったりし,素敵な時間を過ごしました。
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