京都大学大学院生命科学研究科 木村郁夫教授、同大学 清水秀憲共同研究員、東京農工大学大学院農学研究院 宮本潤基准教授らの研究グループは、北海道大学大学院先端生命科学研究院の中岡慎治教授、松木彩星招へい教員、同大学大学院生命科学院生命科学専攻 博士後期課程の明石涼氏、との共同研究で、ヒト常在細菌 S. salivarius が砂糖から誘発されるヒトの肥満を抑制する可能性があることを発見しました。
この S. Salivarius は腸内にある過剰なスクロースを難消化性多糖(EPS)に代謝することで、糖吸収を抑えていました。本研究ではさらにEPSがどのように分解され、腸内環境にとって有益とされる短鎖脂肪酸が産生されるかも明らかにしました。本研究成果は腸内細菌の糖代謝相互作用が宿主の代謝機能に与える影響の一端を明らかにしたものであり、これにより生活習慣病の早期検出と予防や、腸内細菌叢を改善するプレバイオティクスやプロバイオティクスの開発が期待されます。
本研究成果は、2025 年 1 月 29 日に国際学術誌「Nature Communications」にオンライン掲載されました。
東京農工大学プレスリリース:甘いもの好きの人の肥満を抑える腸内細菌の発見~肥満や糖尿病などの代謝性疾患予防・治療法の開発応用に期待~

*