卒業生仕事レポート

自分を「外」から見つめて本当にやりたいことを知る

JICA 青年海外協力隊 岩佐 大助さん

私の歩み
入学 東京都出身。私立多摩大学附属聖ヶ丘高校を卒業。
一年後の2004年、北海道大学理学部に生物系で入学
学科 2年次[生物科学科/高分子機能学]へ
4年次[ソフト&ウェットマター研究室](通称LSW)に進む。
08年3月に卒業
JICA 4年次の9月に独立行政法人国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊に志願。2009年1月から西アフリカ・ガーナ共和国へ。
南東部の「アカチ教育カレッジ」の理科教員として赴任
表彰 2010年10月に開催されたGhana National Best Teacher’s Awardsにて外国人ボランティア部門のJICA代表受賞者に選出・表彰を受ける
延長 2011年1月に帰国予定のところを7ヶ月間の延長を申し出て、同年8月まで滞在予定
進学動機
人としての訓練と経験を求めて

医者になると決め、私立大の医学部に合格。けれども人との出会いと自然の美しさが共存する広大なキャンパスへの憧れが岩佐さんを北海道大学に導いた。

医学の勉強を始める前に人間としての訓練と経験を積みたい。10 以上の学部が一カ所に集まる札幌キャンパスでたくさんの人々と出会いたい。そんな期待を抱いて、北海道大学に入学しました。学科の授業では生物・化学・物理の全てにまたがる内容を学習。4 年次の卒業研究でも、化学ゲルを作成し(化学)その上で細胞を培養し(生物)、表面摩擦を測定する(物理)といった理学部のハイブリッド的な研究をすることができました。それもグン・チェンピン先生をはじめとするLSW の先生方のご指導を仰げたからこそ、と思っています。

ガーナから一時帰国した際の活動報告会には研究室も会場の提供や共催で協力。「卒業後も応援してくれる研究室の皆さんに心から感謝しています」

部活動
オケの仲間と奏でた響きは人生の宝物

入学と同時に北海道大学交響楽団に入団。担当のフルートパートだけでも10人以上、全員で100 人を超える北大サークルきっての大所帯だ。

北大には海外も含め全国から人材が集まるので、大所帯のオーケストラとなればまさにその縮小版。いろいろな人との出会いに恵まれました。年2 回の定期演奏会に向けた日々の中には、誰かと一緒に辛さを乗り越えなければいけないことも、楽しかったことも。全てひっくるめて大切な思い出になりました。オーケストラで出会った仲間は今でも、そしてきっとこれからも私の大切な宝物です。

赴任先のガーナでは2 時間授業を週5 回。理数科強化指定校で“教師の卵”(岩佐さんより年上や既婚者もいる)に理論と実験の大切さを伝えている。

海外へ
休日返上で理科教育の浸透に奔走

卒業後は志願していたJICA の研修を修了。2009 年、赴任先ガーナの地を踏んだ。生徒は国内の小中学校の教員志望者たち。岩佐さんは理科を教える。

ガーナの学校には共通の教科書が存在しません。ですから個々の教師の力量が非常に問われることになります。私が指導で心がけているのは、基礎となる理論を教えつつ、実験を通して学生が体験・経験できる場をつくること。授業以外にも実験機材の管理や足りない道具の作成、理数科教材開発の特別授業や研修会を休日返上で行うこともあります。ありがたいことに、下の写真のような受賞の機会をいただけたのも、関係者の皆様のご尽力・ご支援のおかげです。喜びと感謝を胸に、あの日の授賞式は一生忘れることはありません。

2010 年のGhana National Best Teachers’ Awards の授賞式にて。外国人ボランティア部門のJICA 代表受賞者に選出された。

振り返って
国境を超えて生かされた研究経験

教員免許はあるものの、赴任前の実務経験に乏しい岩佐さんを支えたのは、研究室での日々だった。遠い地でよみがえるグン先生の言葉。背中を押された。

生徒に教える前にまずは予行演習が必要です。目的に向かって実験を考案し、実際に試して考察する。この試行錯誤の繰り返しから自分が納得できる授業を構築していきました。実はこの営みこそ、研究室時代と全く同じ。グン先生の「一生懸命研究を行えば、社会に出た後できっと役に立つ」という言葉を身をもって実感することができました。私の今の目標は日本の将来を担える、真の意味で優秀な若者を育てること。海外に出たことで本当にやりたいことに巡りあえた。帰国後も教育の現場に携わっていきます。

ぜひ早いうちに海外へ!日本や自分を外から見たときの発見が人生を変える
岩佐 大助