国際学会はグローバル視点から自分の研究を考える有意義な機会

村井 城治|生命科学専攻・博士課程前期・1年生(当時)
2015年12月9日~13日/アメリカ

私が参加したPacific Polymer Conference(環太平洋高分子会議、PPC)は、1989年に第1回目が開催されて以降、様々な国で2年おきに開催されている、高分子領域における世界最大規模の会議です。

今回は、米国で2015年12月9日~13日の日程で行われ、高分子科学に関する本国際会議で、環太平洋諸国や他国の著名な高分子科学者による関連分野の研究発表を聞きました。また、私の研究であるセルロース複合エラストマーの高強度化・自己回復性に関する研究成果をGel & network項目内のポスターセッションにて発表・質疑応答を行いました。

ポスターセッション会場

5日間にもわたる世界最大規模の学会で、多様な一流研究者の研究発表や講演に出席することで、世界最先端の高分子科学に触れ、知識や発想力の向上に繋がったことはもちろん、科学における海外の事情や考え方を学ぶことができました。

ここで得た新たな知識や考え方を自分の研究に昇華させたいと考えています。具体的には、現在はセルロースの水素結合(動的結合)を利用することで、エラストマーに自己回復性を付与していますが、本学会で学んだ(可逆的)動的共有結合に関する研究を応用することで、エラストマーに自己回復性を付与するとともに、粘性を抑えることが可能であると考えました。粘性を抑えることによって、タイヤに応用したときにエネルギーロスを抑え、燃費の向上が期待できます。

ポスター発表

ポスターセッションでは、自分の研究成果のポスター発表をして質疑応答を行い、そのプレゼンスを全世界にアピールできました。また研究の科学的妥当性、今後の方向性などにコメントをもらうことができたことは貴重な収穫でした。

ポスター発表やレセプションの場では、海外の学生・若手研究者との交流を積極的に行いました。他の研究者のポスター発表にも行き、質疑応答を通して関連分野の知識を広く学び、国際的に活躍する研究者や学生の研究への取り組む姿勢や考え方を知ることができました。

ポスターセッションの様子

また、国際学会なので当然のことですが、発表や質疑応答、意見交換すべてが英語だったことで、将来グローバルに活躍する上で大変有意義な経験となりました。

多様な一流研究者から有意義な意見・感想をもらい、また若手研究者同士の交流によって、知識や発想力が向上しました。このように海外の事情・考え方を勉強することによって国際性の涵養を養い、研究をより一層加速させたいと考えています。