異分野の専門書に囲まれる贅沢な楽しみ

柴垣 光希
ソフトマター専攻・修士課程・1年
蛋白質科学研究室

 

先端生命科学研究院・生命科学院では所属の大学院生に対する「スキルアップ支援」を実施しています。

対象は、生命科学専攻(生命融合科学コース)またはソフトマター専攻に所属する、「MC-DC一貫短縮修了コース(※)」の学生、及び博士課程への進学を希望する優秀な学生です。学生の研究能力向上のため、学会参加などへの支援を行います。
(※)優秀な学生を対象に、標準修業年限(修士課程2年、博士後期課程3年)を短縮(修士課程1-1.5年、博士後期課程2-2.5年)しての博士学位の取得を目指すコース

 

支援を受けた学生によるレポートを紹介します。

異分野の専門書に囲まれる贅沢な楽しみ

本スキルアップ支援の自由項目支援では、使途の例としてオンライン英会話受講、各種講習会参加、書籍購入等がありました。私は普段の研究生活の中で、留学生と英語で話す機会に比較的恵まれており、また学会等で知った企業様のオンライン講習会にもよく参加しています。しかし、自分の専門とはやや異なるが、少し興味のある分野の本格的な専門書等の購入には、その価格の高さから踏み切れていませんでした。そこで、本支援を活用して、様々な専門書を手元に置こうと決めました。

本支援により購入できた専門書。分野は専門である蛋白質科学から、異分野である神経科学まで多岐にわたる。

私の現在の研究テーマは、抗菌ペプチドという蛋白質の構造及び機能解析です。まずは現在の専門分野の知識をさらに盤石なものにするため、周辺分野の専門書を英語の本も交えて購入しました。

専門である蛋白質科学と、関連分野である免疫学等の参考書

次に、専門分野を超えて学びたいことは何だろうと考えました。自分はこれまでの人生の中で、「人間の豊かな精神世界の根底にある、ミクロな物質の働きを理解したい。」という想いを抱えていました。生体物質である蛋白質の研究に魅力を感じて、現在の蛋白質科学研究室に所属して研究活動を行っていますが、漠然と興味があった神経や認知といった分野については、これまで他学部の講義などで学ぶに留まっていました。

いくつかの講義で神経や認知について学んだ経験から、その膨大な知見をまとめた専門書を手元に置きながら研究活動をしたいと思うようになりました。また、その中でも特に自身の分野と関連の強い腸内細菌叢と神経免疫についてさらに学ぶため、医学部の友人や、学会活動で知り合った方々におすすめの専門書を尋ね、異分野を学ぶための入門書と専門書を購入しました。 

脳神経や腸内細菌叢の入門書と、神経科学や生理学の本格的な専門書

このように多くの専門書を手元における機会は貴重です。これらの本と共に歩む今後の研究活動の中で、自身の知識をアップグレードさせながら、さらに優れた研究成果を世界に発信できるよう努めていきます。

 

実験風景

クリーンベンチ内での実験操作。皮膚や服に付着した菌でサンプルが汚染されないよう、慎重に操作を行う。
菌由来の代謝産物(低分子化合物)を卓上NMRにて評価する様子。高分解能NMRと異なり、非常にコンパクトな装置で測定が可能であり、医療分野などへの応用を考える上で重要な手段である。