理学部生物科学科(高分子機能学)では、キャリアパス教育の一環として、2、3年生を対象にした学科イベント「DCは語る」(DC:Doctoral Course=博士課程)を定期的に開催しています。博士後期課程の学生の研究生活や進学経験を聞くことで、進路の一つとして博士後期課程進学を考えてもらうことが目的です。
2024年7月5日は、生命科学院 生命科学専攻 生命融合科学コース 博士後期課程2年の猪子 雅哉(いのこ まさや)さんが学部3年生に向けて話をしました。
体の中を知りたい
僕が通っていた高校は、理数教育を重点的に行う「スーパーサイエンスハイスクール」の指定校でした。北大などから先生が来て実験実習をしてくれます。グループで粘菌について研究し、発表する機会もありました。高校での経験が楽しかったので、「研究の道に進みたいな」と思うようになりました。
もともと生物が好きで、人の体の中がどうなっているのか知りたいと思っていました。北大に入学して学科を選ぶ時に、高分子機能学なら自分のやりたいことができそうだと思いました。細胞や個体レベルの研究に興味があり、指導教員の上原亮太准教授にも惹かれて細胞装置学研究室を選びました。
染色体が倍加した細胞を研究
私たちの体は二倍体の細胞で構成されています。二倍体とは、両親それぞれから引き継いだ染色体が1セットずつ、合計2セットある状態を指します。
染色体の数が倍になった細胞を四倍体といいます。四倍体から生まれる細胞は多様性を持ち、細胞分化、進化、腫瘍形成なども引き起こします。染色体の倍加が起こってから、多様な細胞が生まれるまでの経緯を知るために研究をしています。
理解するために研究したい
様々な経験を積み重ねるうちに、何かを生み出すための研究よりも、仕組みを理解するための研究がしたくなり、大学院で研究を続けることにし、博士後期課程に進みました。
博士課程進学に一般解はない
博士課程においては、研究テーマも進学までの道筋も人それぞれ異なります。進学に対する考え方もいろいろありますが、正解は一つではありません。最終的には自分で納得して決断することが大切です。自分に合う道を見つけて、ハッピーに過ごしてください。