未来の医療を支える研究

鈴木 愛加
ソフトマター専攻・博士前期(修士)課程・2年
蛋白質科学研究室

 

先端生命科学研究院・生命科学院では所属の学生に対する「スキルアップ支援」を実施しています。

対象は、「MC-DC一貫短縮修了コース(※)」の学生、及び、生命科学専攻(生命融合科学コース)及びソフトマター専攻の博士後期課程(DC)への進学を希望する優秀な博士前期課程学生(MC)・理学部 生物科学科(高分子機能学専修)4年生です。学生の研究能力向上のため、学会参加などへの支援を行います。

※生命融合科学コースまたはソフトマター専攻に所属する優秀な学生を対象として、標準修業年限(MC 2年、DC 3年)を短縮(MC 1-1.5年、DC 2-2.5年)しての博士学位の取得を目指すコース

 

支援を受けた学生によるレポートを紹介します。

未来の医療を支える研究

スキルアップ支援を利用して、第74回日本アレルギー学会学術大会に参加させていただきました。

本学会では、多岐にわたるアレルギー疾患の症例報告や治療例、コホート研究などが発表されており、参加者の多くはアレルギー診療に携わる臨床医の方々でした。私の研究テーマは、アレルギーの原因となるタンパク質の立体構造に着目した基礎研究であり、同じアレルギー研究という括りの中でも分野は少々異なります。しかし、学会を通じて昨今のアレルギー疾患の傾向や臨床現場における課題を知ることは、病態や発症メカニズムをより現実的な視点から捉えることにつながり、今後の研究方針を考えるうえで非常に有意義な経験となりました。

現代社会において、花粉や食物などに対して何らかのアレルギーを持つ国民は全人口の50%を越え、もはや「国民病」と呼んでも過言ではありません。しかし、アレルギー発症の作用機序には未だに不明な点が多く、治療法や検査方法には改善の余地が残されています。次世代のアレルギー診療の発展に貢献できるような知見を生み出せるよう、引き続き研究に励みたいと思います。

会場の東京国際フォーラム。巨大なガラスのアトリウムが特徴的でした。
会場にて

これまでの先輩レポート