経験をこれからの研究生活の糧に

花岡 杏美
ソフトマター専攻・修士課程・1年
蛋白質科学研究室

 

先端生命科学研究院・生命科学院では所属の大学院生に対する「スキルアップ支援」を実施しています。

対象は、生命科学専攻(生命融合科学コース)またはソフトマター専攻に所属する、「MC-DC一貫短縮修了コース(※)」の学生、及び博士課程への進学を希望する優秀な学生です。学生の研究能力向上のため、学会参加などへの支援を行います。
(※)優秀な学生を対象に、標準修業年限(修士課程2年、博士後期課程3年)を短縮(修士課程1-1.5年、博士後期課程2-2.5年)しての博士学位の取得を目指すコース

 

支援を受けた学生によるレポートを紹介します。

経験をこれからの研究生活の糧に

私は、博士進学予定者のためのスキルアップ支援を利用し、京都で開催された、日本生理学会に参加させていただきました。

日本生理学会は、マクロとミクロ両方の視点から生命の巧妙さに迫る、大変興味深い学会でした。

現地で参加することで、まず驚いたのが、これまで参加してきた学会に比べて、女性参加者が圧倒的に多かったことです。中には女性の活躍を支援する生理学女性研究者の会の後援による、女性研究者にスポットライトを当てたシンポジウムが開催されるなど、女性研究者の参画に力を入れていることがとても印象的でした。このようなシンポジウムに参加することができ、自分が将来なりたい研究者像がより具体的なものになりました。国内外でご活躍されているたくさんの研究者の方々の発表を生で聞く機会を与えてくださったことにとても感謝しています。

記念すべき第100回記念大会とのことで、鏡開きセレモニーが開催されました。
会場がお祭りムードでとても楽しかったです。
メインの会場はとても広く、ノーベル賞受賞者であるSvante Pääbo先生と山中伸弥先生による対談がこの会場で行われました。
京都らしい日本庭園のような会場の敷地でお昼休憩

私の現在の研究分野は蛋白質工学です。酵母が生体内で蛋白質を作る際の、蛋白質の品質を保証するメカニズムに着目し、研究を行っています。修士課程から専攻を変更したこともあり、まだまだ研究生活は始まったばかりですが、理想の将来像に少しでも近づけるよう、日々邁進していきたいと思います。

現地に実際に足を運び、学会に参加するという経験は、偶然も含めて様々な発見があるので、このような恵まれた支援はどんどん活用していくと良いと思います。

酵母培養時のクリーンベンチ内での作業
実験室に新しく導入された装置を試す様子
酵母培養時のクリーンベンチ内での作業
酵母の細胞濃度を知るために、分光光度計で培地の濁度を測定する様子