研究を伝えるということの大切さ

花岡 杏美
ソフトマター専攻・修士課程・2年
蛋白質科学研究室

 

先端生命科学研究院・生命科学院では所属の大学院生に対する「スキルアップ支援」を実施しています。

対象は、生命科学専攻(生命融合科学コース)またはソフトマター専攻に所属する、「MC-DC一貫短縮修了コース(※)」の学生、及び博士課程への進学を希望する優秀な学生です。学生の研究能力向上のため、学会参加などへの支援を行います。
(※)優秀な学生を対象に、標準修業年限(修士課程2年、博士後期課程3年)を短縮(修士課程1-1.5年、博士後期課程2-2.5年)しての博士学位の取得を目指すコース

 

支援を受けた学生によるレポートを紹介します。

研究を伝えるということの大切さ

この度、スキルアップ支援を利用し、名古屋国際会議場で2023年11月14日~16日に開催された日本生物物理学会に参加させていただきました。

 

生物物理学会に参加するのは今回で2回目でしたが、これが初めての英語口頭発表(去年はポスター発表での参加)ということもあり、緊張でガチガチのまま発表本番を迎えました。

自分の発表順が回ってくるまでは、他の演者の発表を会場で聞いていたのですが、ネイティブのようにとても英語が流暢な学生の発表ばかりで、自分の発表が回ってきたときには緊張は頂点に達していました。

英語があまり得意ではない私の発表は聞き苦しい点も多々あったとは思われますが、英語での口頭発表と質疑応答をクリアできたことの達成感はとても大きかったです。

 

しかしながら、私にはまだ “わかりやすくかつおもしろく自分の研究を発表する力” が足りていないなと痛感しました。

わかりやすくておもしろい研究発表にはたくさんの聴衆が興味を持ち、山ほど質問を投げかけてくれます。

さらには質疑応答の時間では足りず、講演時間終了後に立ち話でディスカッションを行っている様子を学会中何度も拝見しました。対面開催の学会ならではの光景ですね。

質疑応答が盛り上がれば互いに自身の研究を発展させるヒントがたくさん得られます。

おもしろい発表をすればもっとおもしろい研究を考えることができるというわけです。

私の現段階のプレゼンスキルはまだまだ十分ではないので、この3日間を通して見てきた講演をお手本に、プレゼンスキルの向上に切磋琢磨していきたいと思います。

 

学会に参加するためには参加費や旅費などの資金を用意する必要がありますが、スキルアップ支援はこれらの経済的な負担を支援して頂けるとてもありがたい制度です。後輩の皆さんはぜひこれを活用し、自身の研究に必要なあらゆるスキルを向上させてほしいと思います。

学会の立て看板で撮った集合写真 (教授 相沢智康先生と同期・後輩)
タンパク質を疎水性の違いで分離する逆相HPLCを使って研究対象のアレルゲンタンパク質を分析している様子。