様々な生物のゲノム隠されていた新しいタイプテルペン合成酵素を発見新規テルペン類の大量発掘に期待

新潟大学大学院自然科学研究科生物有機化学分野の阿部透博士研究員(現・大学院医歯学総合研究科助教)、同研究科博士前期課程の白鳥遥菜さん、自然科学系(農学部)の上田大次郎助教、佐藤努教授、自然科学系(工学部)の阿部貴志教授、山梨大学大学院総合研究部工学域物質科学系の佐藤玄特任助教・北海道大学大学院先端生命科学研究院の谷口透准教授らの共同研究グループは、立体構造モデルの類似性を基にした酵素探索を行い、従来の探索方法では発見できない新しいタイプのテルペン合成酵素を様々な生物種(細菌・真菌・植物・原生生物)のゲノム情報から効率よく発見することに成功しました。本研究は新しいタイプのテルペン合成酵素とテルペン類の探索のブレイクスルーとなる成果です。

本研究成果は、2024 年 6 月 5 日、英国科学誌「Chemical Science」のオンライン版に Hot article(注目論文)として掲載されました。

【本研究成果のポイント】
  • 立体構造モデルの類似性を基にした、新しいタイプのテルペン合成酵素の探索法を開発しました。
  • 新しいタイプのテルペン合成酵素を 3 タイプ発見し、これらをコードする遺伝子が細菌・真菌・植物・原生生物など様々な生物種のゲノムに存在することを見出しました。
  • 発見された酵素が天然からは見出されていないテルペン化合物を作ることが明らかになりました。
  • 新しい酵素とテルペン類を大量発掘するためのブレイクスルーとなることが期待されます。
立体構造モデルの類似性を基にした新しいタイプのテルペン合成酵素の探索(出典:新潟大学プレスリリース)

プレスリリース:様々な生物のゲノムに隠されていた新しいタイプのテルペン合成酵素を発見~新規テルペン類の大量発掘に期待~(先端生命科学研究院 准教授 谷口 透)