一貫コース生は語る:自ら行動し、道を拓く

理学部生物科学科(高分子機能学)では、キャリアパス教育の一環として、学部2年生を対象にした学科イベント「一貫コース生は語る」を2023年7月27日に開催しました。「MC-DC一貫短縮修了コース(一貫コース)」(※)の大学院生から研究生活や進学経験について聞くことで、進路の一つとして博士課程進学を考えてもらうことが目的です。

(※)修士課程から博士後期課程まで一貫して研究活動に専念し、優れた研究業績を挙げることで博士号取得までの期間を短縮できるコース。生命科学院の生命科学専攻(生命融合科学コース)およびソフトマター専攻で実施。

 

話題提供したのは、生命科学院 ソフトマター専攻 修士2年(当時、現在は博士1年)の柴垣 光希(しばがき みつき)さんです。柴垣さんは、理学部生物科学科(高分子機能学)を卒業後、生命科学院ソフトマター専攻に進学し、蛋白質科学研究室(相沢研究室)に所属しています。

柴垣 光希さん

抗菌ペプチドって面白い!

菌を殺すことができる小さなタンパク質「抗菌ペプチド」を研究しています。抗菌ペプチドは菌を殺すだけでなく、免疫機能を調整でき、認知機能に影響するとも言われています。とても小さな抗菌ペプチドが、いろいろな生理機能を持ち、さらに機能と構造に深い関連があることは大変興味深いです。その不思議を解明すべく、突き詰め続ける研究活動を非常に楽しいと感じています。

タンパク質の構造を調べる装置に試料を入れるところ

博士課程までの一貫コース

生命を構成する物質に興味があり、蛋白質科学研究室を選びました。研究を始めたばかりのころは、自分が研究に向いているのか分からず、もしかしたら途中で嫌になる日が来るのではないかと不安でした。しかし、キャリアを考えるイベントなどに参加して、いろいろな先輩と話をするうちに、「とりあえず、全力で研究してみよう。嫌になったら、その時は進路を変えるなり考えてみよう。」と思考を変えました。

幸い、修士課程に入ってからも研究は楽しく、嫌になることはありませんでした。そこで、より自分のテーマを深めるためにも、博士課程への進学を決めました。また、今後のキャリアを見据えて、早期に業績を挙げて学位を取得する、という負荷を自らに課すべく一貫コースでは、通常5年かかる大学院の期間を3~4年に短縮できます。さらに、経済的な支援や研究環境への支援もあります。そのおかげで、研究用の書籍を購入できたり、興味のある学会へ参加できたりしました。どれも今の自分の糧となり、本当に感謝しています。

調べたいタンパク質を菌に作ってもらうための培地を準備

自分で調べて行動しよう

生物科学科(高分子機能学)では「ラボ体験」が行われています。このプログラムでは、学部3年秋の研究室配属より前に、興味のある研究室で実験やゼミなどを体験できます。僕も3年生の夏に参加して、研究へのワクワク感が増しましたし、その後のモチベーションにも繋がりました。研究とはどのようなものかを肌で感じられて、研究室の雰囲気も分かるので、参加をおすすめします。

ラボ体験などに思い切って参加すると、視野が広がり、想像しなかったような気付きを得られることもあります。ぜひ機会を見つけて、いろいろなところに飛び込んでみてください。自分がどうしたいかを考えて、調べて、積極的に行動することで、自分の人生を切り拓いていけると思います。